【国民年金①】外国人の国民年金納付率が“半数”にとどまる理由とは?

はじめに

 令和8(2026)年8月17日付の日本経済新聞の記事によれば、外国人の国民年金納付率は 55.0% (23年度)にとどまり、日本人全体の同納付率85.6%と比べて大きな差があります。 この問題は、単なる国民年金の「未納」という問題だけではなく、制度理解・言語の壁・社会保障協定の遅れ・在留資格審査への影響など、日本での外国人の生活と在留に直結するたいへん重要なテーマです。

■外国人の納付率が低い背景

① 制度そのものを知らない

 日本年金機構は、外国人の納付率が低い理由として 「制度自体を知らなかったり、メリットを実感しにくかったりして未納になりやすい」 と説明しています。

② 言語の壁

 また日本の国民年金制度の手続きが複雑で、説明資料を十分に理解できないケースが多く、制度理解が進みにくい状況があります。

③ 厚生年金に加入できない働き方

 技能実習生・特定技能・留学生など、”厚生年金の適用外”となる働き方の在留外国人は、自分で国民年金を納める必要があり、在留外国人の約3割(約95万人:R5年度末)のうち、全額猶予や免除者を除いても対象者は多い。

④ 社会保障協定の遅れ

 ともすると日本で数年働いて帰国される外国人の皆様にとって、 「10年納めないと年金が受け取れない」という制度は相当高いハードルです。 各外国人の出身国と日本との間で社会保障に関する協定が締結されていれば母国の加入期間と通算可能となりますが、東南アジアでは「フィリピン」のみ締結済みで、「ベトナム」は交渉中、「タイ」は予備協議中とのことです。(日経新聞 R8.8.17)

■国民年金に加入すると何が得られるのか

 国民年金機構によれば、 国民年金は、老後の年金制度だけでなく、

  • 障害を負った場合の”障害年金”
  • 亡くなった場合の”遺族年金” など、在留期間に関係なく受けられる保障制度も備えています。

■令和9(2027)年6月から在留資格審査に影響

 2027年6月以降、国民年金の納付状況が外国人の在留資格審査に加味されます。 「未納」が続くと、「在留資格」の更新・変更に影響する可能性があります。

■まとめ

 外国人の国民年金納付率が低い背景には、制度理解不足・言語の壁・働き方・政府間の社会保障協定の遅れ・在留審査への影響など複数の要因があります。 行政書士としては、国民年金制度の説明、納付のメリット、在留手続きとの関係を在留外国人ご本人やその外国人を雇用する中小企業経営者の皆様に丁寧にお伝えして、ご理解いただくことがとても重要だと考えています。

(ご参考)日本に住む外国人のみなさまへ 公的年金制度のご案内(日本年金機構)

  To non-Japanese people living in Japan  Japan’s Public Pension System(日本に住む外国人のみなさまへ 公的年金制度のご案内)|日本年金機構

■ お問い合わせ

 行政書士 後藤まさる 事務所 は在留外国人の国民年金制度のご説明、在留資格相談・外国人雇用支援を行っています。 誠実で丁寧な対応を心がけていますので、安心してご連絡ください。

👉 「行政書士 後藤まさる 事務所のホームページ」

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